アクセルを踏み込んだ時に感じるあの振動。
昭和生まれでエンジン大好きおじさんとしてはさみしい限りですが、電気自動車が増えつつあるのは確かですね。
でもこのまま電気自動車の時代になるというほど簡単な移行にはならなそうです。
いくつか超えなければならない壁があります。
1つはバッテリの安全性と容量。
モバイルバッテリでもそうですが、現在主流になっているリチウムイオンバッテリは発火する危険性があるんです。
飛行機内でのモバイルバッテリの利用は禁止される方向で進んでいますし、持ち込めるバッテリの個数を限定しようという流れにもなっています。
でもこれは軍事利用では解決の目処はあるようです。
日本の潜水艦は原子力潜水艦ではなくディーゼルエンジンを搭載していますが、これは発電のために使われていて、潜航中の移動はバッテリに保存された電力で動いています。
他国ではまだ実現できていませんが、日本は徹底的に安全性を高めたリチウムイオンバッテリを開発できたということになります。
民間利用はまだですが、いずれ使われていくでしょう。
ただ容量はまだまだ足りていません。
同じ体積で比べるとガソリンの方が30〜40倍のエネルギーを得ることができますので、その差は大きい。
航続距離をある程度確保するために多くのバッテリを積むことになりますが、当然それが重さにつながりさらなる効率の悪さにつながります。
2つめは充電。
家庭でも充電できる便利さはありますが8〜10時間の時間がかかります。
ディーラーなどにある急速充電装置でも30〜60分かかります。
ガソリンは給油口を開けて注げばOK。
数分でフルチャージできるのを考えると電気自動車の面倒な点がわかるかと思います。
運転の疲れを取るために強制的に休憩を取らされるというだけならまだ良いのですが、例えば高速道路で混雑しているサービスエリアに入った場合、充電渋滞が起こる可能性が大きい。
急速充電の装置は1台あたり200〜1500万円ほどなのでこれを100台分、さらに各サービスエリアに広げるというのは無理というもの。
3つめはそもそもの電気の発電コストとCO2問題。
エコだという触れ込みで登場した電気自動車ですが、その電力を作るためにはどこかで発電しなければなりません。
日本は発電の68.6%を火力発電に頼っていますが、発電はCO2を大量に排出しているということになります。
さらに言えば燃料としての効率も問題です。
ガソリンを燃やしてその場で動力として使うガソリン車に比べ、発電→送電→蓄電→駆動となる電気自動車はそれぞれのステップでのエネルギーロスが発生します。
そう、まったくエコではないシステムなのです。
このようなことから考えると電気自動車に完全移行というのは難しいというのが現状です。
トラックなどの大型のものは特に無理で、色々問題を無視したとしても移行できない。
さらにガソリンを使わなくなった場合に余ったガソリンをどうするかも問題です。
原油から20〜30%のガソリンが取れますが、他にも灯油、重油はもちろんプラスチックの原料も取り出します。
例えばプラスチックの利用が変わらないとなった場合、どうしても出てくるガソリンをどうするのか?という問題があります。
捨てる? 別の方法で燃焼する?
何もエコに繋がらないのです。
ガソリン自動車の全面撤廃を推し進めていたヨーロッパ各国もその決定の過ちに気がついてこの方針を撤廃しています。
TOYOTAは電気自動車に乗り遅れたと言っていた人たちがいましたが、結果的に見ればガソリン車の開発を進め、ハイブリッドの効率化を進めたTOYOTAの一人勝ちという結果になりそうです。
ちなみに局所的な使い方では有効です。
例えばベトナムの首都、ハノイ市は大気汚染が世界トップクラス。
盆地で風が抜けない中でガソリンバイクが激増。そのバイクも排気ガスを撒き散らす古いものだったりするのですが、中心部は2026年の7月からガソリンバイクの通行規制を行います。
電動バイクに置き換わることになり、排気ガスの量が減れば少しまともになるかと思います。
日本で言うママチャリの感覚でどこに行くにもバイクを使う人達なので航続距離もあまり必要なく、家庭充電でも問題がないはず。
大きな発明が出てくれば電気自動車全盛時代になるかと思いますが、なかなか壁は高いようです。


















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